2019年に日本から撤退したFoever21(フォーエバー21)が2023年に再上陸します。1号店はららぽーと門真(大阪府門真市)に決定!ニコアンドやグローバルワークで有名なアダストリアが販売を手掛ける予定。正確には再々上陸であるのですが、このニュースに驚きました!Foever21とはどんなブランド?なぜ撤退したのか?勝算はあるのか!?
この記事は下記のような方のお役に立てそうです。
・フォーエバー21がどんなブランドか知りたい
・フォーエバー21の撤退理由が知りたい
・アダストリアの製品が好き
韓国から米国に移住してきたチャン・ドウォンとジンスク夫妻が1984年にカリフォルニア州ロサンゼルスに設立したファストファッションストアチェーンです。
現在もロサンゼルスに拠点を置いています。
フォーエバーは文字通り「永遠」ですが、ブランドのコンセプトは「人生でもっとも輝く21歳のココロを永遠に持ち続ける人々のためのブランド」ということです。
かつて日本で展開していた時はお手頃というよりかなり低価格でトレンドををとらえたアイテムが山のように積まれていました。
トータルで1万円もあれば全身のアイテムが揃い、H&Mより3割ほど安く一般的な洋服の相場から見ても破格というのが売りでした。
ただし長く使うというよりは流行りの物を買っては使い捨てで安かろう悪かろうというイメージが強く残っていて正直良い印象は全くありませんでした。
実はフォーエバー21の日本撤退は1度ではありません。
2000年に三愛グループをパートナー企業に選び、日本に進出しましたが1年で撤退。
その後リーマンショックでファッションのトレンドが安価な方へ流れ、ファストファッションブームに火が付き、フォーエバー21もアジアで初めての旗艦店(きかんてん=フラッグショップ)を原宿にオープンしました。
しかし、ブランドが崩壊するのは早かったです。
劣悪な労働環境や商標権侵害の問題、大量生産して低価格で販売するファストファッションモデルに消費者が懐疑的になっていたところに、フォーエバー21は経営方針を見直すことがなく消費者が求めることとの乖離が大きくなってしまったのが原因のようです。
2017年には原宿店が閉店、翌2018年には世界各地で不採算店の閉鎖が始まり、2019年10月末には完全に日本からも撤退しました。
アメリカ本国のフォーエバー21も2019年に経営破綻。
2019年の経営破綻後、JPモルガンの仲介で2億7500ドル、米国の投資会社TPGシックス・ストリート・パートナーズより7500万ドル(約80億円)を調達しました。
2020年には米ブランド管理会社のオーセンティック・ブランズ・グループ(ABG)が同ブランドを買収し、サステナビリティや社会貢献を強化するなどリブランディング。
【ABG⇒バーニーズニューヨーク、ブルックスブラザーズなど経営難となったブランドを傘下にしました】
以前のイメージから脱却を計り、現在では世界に570店舗以上を展開するまでになっています。
正確にはマスターライセンスは伊藤忠商事が持ち、サブライセンスは伊藤忠の子会社のゲートウィンとアダストリアが持ち日本での事業を展開していく予定です。
アダストリアはグローバルワーク、ニコアンド、ローリーズファームなどの主力ブランドを展開する総合アパレル企業です。
*niko and…ベイクオーター店
店舗にインテリアショップやカフェレストランが併設されているところもあります。
*ベイクオーター店
管理人の近所のニコアンドもインテリアショップとカフェレストランが併設されており、ガラス張りなので30代の子育て世代の方で連日にぎわっているのが目に入ります。
アダストリアの強みは店舗網、商品開発力など色々ありますが特筆すべきはなんといっても25以上のブランドが集結し、1400万人以上の会員を持つ自社ECサイト「.st(ドットエスティ)」の存在です。
ECサイトのみだった「.st(ドットエスティ)」のリアル店舗は2021年5月にオープンしました。
アクセサリーまで揃います。
*桜木町コレットマーレ
現在のEC率は30.1%で、売り上げはアパレル業界においてはファーストリテイリング(ユニクロなど)に次ぐ2位となっています。
先日のフォーエバー21の再上陸にあたってアダストリアがパートナーとなったことを株式市場も好感しており、地合いが良くない中、アダストリア(2685)の株価は続伸しました。
株価は半年先を予測して動くのでアダストリアが運営を担うフォーエバー21には投資家は期待しているということですね。
フォーエバー21が日本再上陸と聞いたときは正直また失敗するのでは?2回も失敗するなんて何も学んでなさそうとしか思えませんでした。
あのいかにも粗悪な服。ただでもいらない。店員の態度も悪く、店内も見づらいし、欲しいものが一つもなかったというネガティブな記憶しかなく。。。
でもあの絶好調のアダストリアがサブライセンスを取って、国内で販売するというのを知り、興味が沸き色々調べてみたところ、大いに勝算があると思った次第です。
じゃなきゃ商社が手を出しませんよね!
【伊藤忠商事がマスターライセンシー、ワールドがサブライセンシーの例⇒☆】
すでに米国でもサステナビリティーを強化してリブランディングされており、ノウハウがあります。
でも一番肝心な品質はどうするのだろう?安かろう悪かろうではもう日本では売れないよ、と思ったのですが、なんと80%の商品をアダストリアが企画生産するというではありませんか!!(20%をアメリカ製の製品)
かつての大量生産、大量販売、大量廃棄のイメージから抜け出して現在の日本のマーケットにローカライズした商品を開発していくそうです。
これは期待できると思ったのですが価格帯には懸念があります。
新生フォーエバー21のターゲット層は10代後半~30代前半で、平均商品単価は4000円と以前より価格帯は上がります。
その分の生地や縫製のクオリティは担保されるようです。
でも10代後半の子が果たして1着4000円を出せるのかなと思いますし、都心部の30代のパワーカップルはお金持ってますし目も肥えているのでもう少し上の価格帯でより品質の良いものを求める気もします。
それに加えて、様々な値上げラッシュ、円安、お給料は増えない中で、消費者マインドは低下しています。
今さら海外ブランドが上陸して喜ぶ時代でもないような。。
でもアパレルでも質がよくデザインが優れているものは多少高くてもすぐに完売したり、さきほども友人と久しぶりにフルコースでも行こうかとレストランを予約しようとしたら先まで予約がいっぱいでやっと1か月先で取れました。
Withコロナでいくんでしょうという世の中ではありますが一応まだコロナ禍なのにです。
何が言いたいのかというと、コロナだ、値上げラッシュだ、不況だなんだと言いながらも自分の経験値や感性を高めてくれるような価値のあるものにはお金を出すんですね。で、見る目も舌も肥えている。
うちの息子は高校生ですがかなり情報通食通ですし、自分の考えも持っている。まわりもそうです。
ITに長けたZ世代をターゲットにしていくのは相当の覚悟が必要。
そこに受け入れられる品質とデザインを提供できるのか?
そこにかかっていると思います。
まずは2023年2月21日にアダストリアのECサイト(.st)から販売がはじまり、実店舗はららぽーとなどの大型ショッピングセンターを中心に出店していくとのこと。(1号店は2023年4月に開業予定の三井ショッピングパーク ららぽーと門真)
実物を見てみないことにはわかりませんので関東のららぽーとにできたら偵察に行ってみたいと思います。
参考資料:Kabutan プレジデントオンライン
ららぽーと門真は三井不動産初の「三井ショッピングパークららぽーと」と「三井アウトレットパーク」の2業態複合型商業施設になるそうです。*三井不動産ニュースリリースより
最後までお読みいただきありがとうございました。